まとめ

奨学金の金利を決める利率固定方式と利率見直し方式の選び方は?後で変更できる?

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「奨学金の種類によって金利は違うの?」「奨学金の金利って、結局どう決めたらいいの?」

このような悩みをお持ちではないでしょうか。奨学金の返済総額を少なくするには変動リスクを加味しながら、できるだけ金利を低くすることが重要です。

今回は奨学金の金利の選び方についてご紹介していきます。金利の選択で悩んだら、是非参考にしてみてください。

奨学金の金利について

奨学金の金利について

JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)の奨学金には3種類あります。

  • 第一種奨学金
  • 第二種奨学金
  • 入学時特別増額貸与奨学金

奨学金の種類によって金利が違います。

第一種奨学金の金利は?

第一種奨学金は無利子の奨学金です。利子が付かないので、金利の心配をする必要はありません。

第二種奨学金の金利は?

第二種奨学金は有利子の奨学金なので、返済総額を低くするには、賢く金利を選ぶ必要があります。また、金利は下限0.01%上限3%となっています。

平成194月以降に奨学金を借り始めた場合、金利を決める方式は2種類あります。

  • 利率固定方式
  • 利率見直し方式

基本的には奨学金の申込時に利率方式を決めます。各利率方式の詳細については、長くなるので後ほどお伝えします。

また、平成193月以前に奨学金を借り始めた場合、金利を決める利率は1種類だけです。詳しい利率は利率は以下をご確認ください。

平成193月以前に奨学生に採用された方の利率

平成163月以前(日本育英会)に奨学生に採用された方の利率

入学時特別増額貸与奨学金の金利は?

入学時や入学準備など、入学時にはお金がかかるため、JASSOでは入学特別増額貸与奨学金という奨学金を用意しています。入学時特別増額貸与奨学金は有利子のため金利がかかります。

金利は第二種奨学金と同じ利率方式で決め、基本的に0.2%の金利を上乗せした利率が入学時特別増額貸与奨学金の金利となります。金利は3%が上限となります。

奨学金の金利が決まるタイミングと注意点

奨学金の金利が決まるタイミングについて

金利は有利子の奨学金が貸与を終了した月に確定します。

利率固定方式と利率見直し方式では、貸与終了月ごとに金利の利率を決めています。各月の利率については、平成194月以降に奨学生に採用された方の利率で確認することができます。

第二種奨学金の場合は、各月の利率がそのまま返済時の金利になります。入学時特別増額貸与奨学金の場合は、0.2%金利が上乗せされるのでご注意下さい。どちらの奨学金も上限は3%です。

入学時特別増額貸与奨学金の金利は確定する時期に注意

入学時特別増額貸与奨学金は入学準備などに充てる奨学金のため、入学後に全額が一括貸与されます。入学時特別増額貸与奨学金の金利が確定する時期は、ほかの奨学金の貸与状況で異なるので注意が必要です。

有利子の第二種奨学金を併せて借りている場合、入学時特別増額貸与奨学金の金利は、第二種奨学金の最終貸与月の利率をもとに確定します。

一方で以下のケースでは、入学時増額貸与奨学金の一括で貸与された月が最終貸与月となります。そのため、一括貸与月の利率を元に金利が決まります

  • 入学時特別奨学金のみ借りている場合
  • 第一種奨学金と入学時特別奨学金を合わせて借りている場合

入学時特別増額貸与奨学金は、ほかの奨学金の貸与状況によって金利確定の時期が異なるケースがあるので気をつけましょう。

奨学金の利率固定方式のメリット・デメリット

奨学金の金利を決める利率固定方式は、返済期間中の金利が固定される利率方式です。

メリット ・市場金利が上がっても固定された低い金利で返済を続けることができる。
・返済総額が分かる。
デメリット ・市場金利が下がっても固定された高い金利で返済を続けなければならない。
・利率見直し方式より利率が高めに設定されていることが多い。

奨学金の利率見直し方式のメリット・デメリット

利率見直し方式は、基本的に5年ごとに金利を見直す利率方式です。

メリット ・市場金利が下がると低い金利で返済を行うことができる。
・利率固定方式より利率が低めに設定されていることが多い。
デメリット ・市場金利が上がると高い金利で返済を行う必要がある。
・返済総額が分からない。

奨学金の金利を決めている利率方式は後で変更できる?

奨学金の金利を決める利率方式を変更する際の注意事項

奨学金の申込時に選択した利率方式は、貸与が終了する月の一定期間前までに一度だけ変更が可能です。期日については学校に確認が必要です。貸与終了後の変更はできないので気をつけましょう。

また、入学時特別増額貸与奨学金は第二種奨学金と申し込んだ場合のみ変更可能です。以下の場合は、入学時特別増額貸与奨学金は初回に全額が支払われ、金利が確定するため変更できません。

  • 入学時特別奨学金のみ借りている場合
  • 第一種奨学金と入学時特別奨学金を合わせいる借りている場合

学校担当者に「第二種奨学金「利率算定方式」変更届」を受け取って、必要事項を記入して提出することで変更することができます。

利率方式を変更する際の注意事項

貸与終了月の利率は貸与が終了する年の4月頃に発表されます。つまり、3月の卒業時に貸与が終了する場合、卒業後に3月の利率が分かります。

しかし、貸与終了後は利率方式を変更することができませんそのため、既に発表されている各月の利率を参考に利率方式の変更を決めるしかありません。

奨学金の金利を低くする利率方式の選び方

奨学金の金利メリットデメリット

奨学金の金利は変動リスクを考えながら、できるだけ金利が低くなるように利率方式を選択することが重要です。

奨学金申込時はどちらでも大丈夫

利率方式は奨学金が貸与される最終月の利率で決まります。 大学入学時から卒業時まで奨学金を貸与予定の場合、申込時に4年後の景気等を予想して利率方式を選ばなければなりません。

しかし、4年後の状況を正確に予想することは不可能です。そのため、申込時はどちらでも良いので利率方式を選択し、奨学金の貸与終了年度になったら利率方式の検討を行いましょう。

奨学金の貸与終了が近づいたら必ず利率方式の変更を検討する

貸与終了年度になったら、早めに利率方式変更の検討を行いましょう。金利によって返済総額に数万〜数百万の差が出ます。金利の違いによって、どのくらい差が出るのか確認してみましょう。(※固定利率方式、貸与期間4年、機関保証無しとして計算)

例1:貸与月額50,000円、貸与総額2,400,000円

金利 3% 1% 0.5% 0.1%
返済総額 3,018,568円 2,597,188円 2,497,419円 2,419,233円
返済月額 16,769円 14,428円 13,874円 13,440円
返済期間 15年 15年 15年 15年

例2:貸与月額80,000円、貸与総額3,840,000円

金利 3% 1% 0.5% 0.1%
返済総額 5,167,586円 4,257,117円 4,045,295円 3,880,457円
返済月額 21,531円 17,737円 16,855円 16,168円
返済期間 20年 20年 20年 20年

例3:貸与月額120,000円、貸与総額5,760,000円

金利 3% 1% 0.5% 0.1%
返済総額 7,751,445円 6,385,730円 6,068,011円 5,820,764円
返済月額 32,297円 26,606円 25,282円 24,252円
返済期間 20年 20年 20年 20年

JASSO 奨学金貸与・返還シミュレーションより

3月の卒業時に奨学金の貸与が終了する場合、卒業後に利率が分かります。利率変更は卒業前に検討することになる為、既に発表されている各年度の利率や、今後の景気をもとに利率を予測する必要があります。

現在、市場金利が低い為、直近5年間(平成26年〜平成30年)で、利率固定方式は0.5%〜0.89%利率見直し方式は0.01%〜0.2%の間を推移しています。

現時点で低い金利が続いているので、奨学金を長期間返済を続ける場合、金利の変動リスクが低い利率固定方式がおすすめです。

しかし、奨学金の貸与金額が低い場合や、親の支援等で早期に返還を終える見込みがある場合は、利率が低く設定されている利率見直し方式を選択する方がおすすめです

実際に利率方式を選ぶ場合はJASSO 奨学金貸与・返還シミュレーションを使って、返還金額を確認してどちらの利率方式を選ぶか決めましょう。また、返還シュミレーションをした結果、変動リスクを受け入れることができる場合は利率見直し方式を選択することも1つの選択肢として考えてみてください。

奨学金を低い金利で返すには貸与終了前に利率方式の変更を検討しよう

奨学金の金利を決めている利率方式は、変更期限があります。金利を低くするために変動リスクを加味して、早めに利率方式の変更を検討しましょう。

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