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キックオフミーティングとは?進め方や注意点を解説

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プロジェクトの立ち上げ時には、事業に関するさまざまな内容を確認、共有、決定していかなければなりません。
しかし、プロジェクトの立ち上げには多くの業務が重なるため、意識していなければ十分な話し合いを行うことは難しくなるでしょう。そこで今注目されているのが、「キックオフミーティング」です。
キックオフミーティングをプロジェクトの冒頭にセッティングすることで、スタート時に必要な行動をまとめて行うことができます
それはこれから進めていくプロジェクトを押し進める、ひとつのきっかけにもなるでしょう。こちらではキックオフミーティングの意味や、その具体的な進め方などを解説していきます。
これからプロジェクトを進行させる予定があるのなら、この機会にキックオフミーティングについて理解を深めてみてください。

キックオフミューティングとは

キックオフミーティングとは、プロジェクトの立ち上げ時に実施される会議のことです。
サッカーの試合開始時に行われる「キックオフ」が由来となっていて、近年プロジェクト開始の合図として導入する企業が増えてきています。

基本的にプロジェクトの参加メンバーが対象となり、一堂に集まってミーティングを行うのが特徴です。
顔合わせやプロジェクト内容の確認を行なって、これからのことを話し合う機会として使われるでしょう。
昨今の事情を考えるのなら、Web会議ソフトなどを使ってそれぞれの場所から会議に出席するケースも考えられます。

キックオフミーティングを行うことは、メンバーに精神的な共有感を生み出すことにもなります。
「新しい仕事を始める」という気持ちの切り替えを促し、全員で協力して働くための準備を進めることができるのです。
そのため最初にキックオフミーティングを行なっていくことが、プロジェクトに有益な結果をもたらすことになるでしょう。

キックオフミーティングを行う目的とは

キックオフミーティングを実施する際には、何を目的とするべきなのかを明確にすることが重要です。
目的を踏まえた上で実施されなければ、ただ無駄に話し合うだけで時間が過ぎてしまい、逆にプロジェクトの遅延を招く可能性があります。
まずはキックオフミーティングの目的を確認し、開催する意義を理解しましょう。

プロジェクトの方向性を共有する

キックオフミーティングは、プロジェクトの方向性をメンバーで共有することを目的として行われます。
プロジェクトがこれから何をしていくのか、それぞれにどのような役割が必要とされるのか、誰のためにこのプロジェクトが進められるのか。
そういった方向性を確認し、参加メンバー全員に共有させるためにキックオフミーティングが実施されるのです。

方向性が共有できていれば、全員で足並みをそろえて仕事に取り組むことができます。
それぞれが自分の立ち位置を理解した上で行動できれば、効率を重視して事業を進めていくこともできるでしょう。
プロジェクトの方向性の共有を目的として、キックオフミーティングを実施することは第一に考えられます。

プロジェクトマネージャーが何を求めているのかを確認する

プロジェクトマネージャーが何を求めているのかを明確にし、メンバーがそれぞれ理解を深めることもキックオフミーティングの目的になり得ます。
事業の成果やゴールをはっきりとさせて、何のためにこのプロジェクトが行われていくのかを提示することを考えましょう。

プロジェクトマネージャーの求めるものがわかっていれば、細かな指示や確認作業を省いて、スピーディに事業を進めていくことが可能となります。
スムーズな意思疎通の一環にもなるので、プロジェクトマネージャーが何を求めているのかを明確にすることもキックオフミーティングを進めるポイントのひとつです。

プロジェクトマネージャーは現場にいる誰か(リーダー)であることもあれば、会社そのものの意向を指すこともあります。
その認識に齟齬が発生しないように、キックオフミーティングではプロジェクトマネージャーに当たる存在が具体的に誰になるのかを共有することも忘れないようにしましょう。

参加メンバーの確認による信頼の確立

キックオフミーティングでは、参加メンバーを紹介しあって信頼関係を築くことも目的に含まれます。
これから一緒に仕事をしていくメンバーが不明・曖昧なままでは、プロジェクトに対する不安を招く恐れがあります。
それはメンバーのモチベーションの低下や不信感の発露につながるため、キックオフミーティングによって解消することにメリットがあるでしょう。

近年は組織が複雑化することも多いことから、チーム単位で参加することはわかっていても、個人で誰が参加するのかまでは把握できていないというケースもあります。
キックオフミーティングではその点も考慮して、なるべく個人にスポットライトを当てて、参加者を明確にしていくことがポイントです。

また、社外のメンバーが参加するプロジェクトの場合には、きちんと紹介の時間を作らなければ個々で接点を作ることが難しくなることがあります。
そういった場合にこそキックオフミーティングを実施して、社外メンバーと社内メンバーをつなぐきっかけを作ることが望ましいでしょう。

キックオフミーティングの進め方について

実際にキックオフミーティングを実施する際には、具体的な進め方を把握しておくことも大切です。
キックオフミーティングの進め方が理解できていないと、会議の内容がブレたり、ただ世間話をして終わったりといった無益な結果になることもあります。
そういったことを防ぐためにも、キックオフミーティングの進め方を確認しておきましょう。

具体的にキックオフミーティングは、以下のような流れで進めることが考えられます。

1.メンバーの自己紹介
2.プロジェクトが目指すゴールを確認する
3.日程、進捗、コストなど現在決まっていることの確認
4.仕事の役割分担や責任者の決定、共有
5.業務の進め方、まずやるべきことを確認する
6.質疑応答による疑問の解消

それぞれの内容を解説します。

メンバーの自己紹介

初対面のメンバーが多い場合には、キックオフミーティングの冒頭で自己紹介を行います。
名前や役職、その他事業に関係する情報を提供する時間を作り、メンバーの共有を進めましょう。

短時間でも自己紹介の時間があると、メンバー間で話し合うきっかけが生まれます。
それはプロジェクトに欠かせないコミュニケーションの基礎になり、その後の事業を円滑に進めることにつながるのです。
プロジェクトに参加するメンバーの名前確認だけで終わるのではなく、コミュニケーションのスタートになることを意識して、自己紹介に時間を割くようにしましょう。

プロジェクトが目指すゴールを確認する

続いてキックオフミーティングでは、そのプロジェクトが目指すゴールを確認します。
何をもってプロジェクトが「達成」に至るのかを決定し、そこまでのプロセスを明確にしていくのが次のステップです。

ゴールが決定されることによって、プロジェクト全体のスケジュールや必要な役割もおのずと定まってきます
逆に言えば、プロジェクトの目指すゴールが不明瞭なままだと、具体的に着手すべき行動さえも決めることが難しくなるのです。
だからこそまずはプロジェクトの到達点を全員で確認し、そこに進むためにどうするのかを考えられるようにしていきましょう。

日程、進捗、コストなど現在決まっていることの確認

ゴールを明確にすることに続いて、キックオフミーティングではプロジェクトの日程、進捗、コストといった具体的な内容を掘り下げます。
現段階でどこまで内容が決まっているのかを共有して、メンバーそれぞれがプロジェクトの具体的な状況を把握できるようにサポートしましょう。

併せてキックオフミーティングでは、未決定な部分を会議の中で決めてしまうことも考えられます。
メンバーのスケジュールや環境をすり合わせて、「〇日までなら実行が可能」「〇〇まではコストをかけられる」といった案を積極的に出していくこともキックオフミーティングの役割です。
必要に応じて決まっていた日程やコストなどを、キックオフミーティングによってより最適なものに変更していくことも考えられます。

仕事の役割分担や責任者の決定、共有

キックオフミーティングでは、仕事の役割分担や責任者の決定及び共有を行うことも求められます。
参加メンバーとして集められた従業員には、必ず何かしらの役割を与えることが必要です。
少なくとも役割を与えられる権限を持った責任者は、キックオフミーティングの段階で決定することを意識しましょう。

一方で、プロジェクトを進めていく過程では、新しい役割が必要になったり、逆に必要とされていた役割が不要なものとなったりすることがあります。
そういったときにはキックオフミーティングの決定にこだわるのではなく、臨機応変に役割の追加や削除を行なっていきましょう。
あくまでキックオフミーティングで決められる役割分担は、その段階で考えられる役割に過ぎないことを理解しておいてください。

業務の進め方、まずやるべきことを確認する

プロジェクトのゴール、具体的な決定事項、役割や責任者について話し合った後には、業務の進め方や今からやるべきことを確認します。
要するに「直近のスケジュールや進捗確認の方法」「このキックオフミーティングが終わり次第、すぐに取り掛かるべきこと」の2点を明確にするように話を進めます。
キックオフミーティングで決めたことやメンバーの熱意を活かせるように、これからすべきことを明確にしておきましょう。

なるべく具体的に内容を詰められるように、この項目の話し合いにはより多くの時間をかけることが推奨されます。
一部の人間だけが一方的に決定したものでは、参加メンバーが納得して仕事に取り掛かれないこともあります。
キックオフミーティングに参加しているメンバーの意見を募って、必要とされるアクションをピックアップし、全員が納得できる形で業務の進め方とやるべきことを明確にしていきましょう。

質疑応答による疑問の解消

キックオフミーティングの最後には、質疑応答の時間を設けてメンバーが持つ疑問を解消します。
不明点をそのままにしておくと、業務内容に間違いが発生したり、後から質問をする無駄な時間が必要になったりします。
そのためこの時点で判明している疑問点や理解できなかった点は、キックオフミーティングが終わる前に解決することが望ましいのです。

質疑応答の時間をセッティングすることは、質問しやすい雰囲気を作ることにつながります。
人によっては質問を遠慮することも珍しくないため、「質問のためだけの時間」を設定して発言を促すことにはメリットがあるのです。
場合によっては「〇〇さんは何か気になったことはありませんか?」と質問を投げかけて、より発言しやすい空気を作り出すことも考えられます。

キックオフミーティングの注意点

キックオフミーティングを実施する際には、いくつか知っておきたい注意点があります。
開催した会議の時間を失敗させないためにも、以下のポイントをチェックしておきましょう。

事前準備(資料の作成など)を欠かさない

キックオフミーティングの開催が決定したのなら、事前準備を欠かさないようにしましょう。
会議の流れの確認や資料作成などを行なって、スムーズに話し合いが進行できるように備えるのがポイントです。

準備が万全でないと、会議の内容や目的が曖昧になったり、話し合うべき内容を議題に挙げ忘れたりといったミスにつながります。
それはメンバーに無駄な時間を過ごさせるだけでなく、プロジェクトへの不信感を生み出すきっかけにもなってしまいます。
最低でも進行の手順と内容は事前に決めて、キックオフミーティングが意味のない形で終わらないように注意しましょう。

現段階でわかる課題や未決定事項をリストアップしておく

キックオフミーティングの時間を有効に活用できるように、現段階でわかる課題や未決定事項をリストアップしておくことも必要です。
課題や未決定事項の内容によっては、メンバーと話し合いを行うことによって解決・決定まで進められる可能性があります。
それはプロジェクトを、スタートから強く押し進める結果になるでしょう。
キックオフミーティングの時間はメンバーの意見を集められる貴重な機会でもあるので、その環境を有効活用できるように課題や未決定事項は積極的に提示してみてください。

メンバーがそろうように日程調整を行う

キックオフミーティングでは、基本的に全てのメンバーがそろうように日程調整を行います。
プロジェクトに関する重要情報の共有やメンバー同士の顔合わせを一度で済ませられるように、可能な限り関係者全員が参加できる日程を組みましょう。
また参加者に漏れが出ないように、きちんとリストを作成しておくのもポイントです。

日程調整が完了した後には、なるべく早くメンバーへの周知を行います。
参加メンバーへ事前に案内を出すことで、全員が十分な準備をしてキックオフミーティングに臨むことができるでしょう。

まとめ:キックオフミーティングを有効活用してプロジェクトのスタートを切る

キックオフミーティングとは、プロジェクトのスタートを支える重要な会議です。
正しくキックオフミーティングをセッティングできるかどうかで、その後の進行具合が変わることもあるでしょう。
だからこそ、この機会にキックオフミーティングの基本や進め方を確認し、実際に開催するための準備を進めることが求められるのです。

方向性の共有やメンバーの紹介など、キックオフミーティングの時間にはプロジェクトを動かす多くの情報が詰め込まれています
その時間を有効活用して、よりスムーズな形でプロジェクトが進行できるように備えてみてください。

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