外資系を中心とした難関のコンサルティングファームに就職するためには、フェルミ推定の対策をしっかりとしなければなりません。
「アメリカのシカゴにピアノの調律師は何人いるか?」
これはフェルミ推定の問題として最も有名ですね。
「そんなの分かるわけない」と思うかもしれませんが、しっかりと基本を抑えてトレーニングしておけば、誰でも論理的な回答を導けるようになります。
この記事では、フェルミ推定の問題の中でも比較的アプローチしやすい「会社の数」を題材としたテーマについて、深く解説していきますので、コンサルティングファームへの就職・転職希望者などは是非参考にしてください。
コンサルティング会社が就職選考でフェルミ推定を課す理由
そもそもフェルミ推定などという非常に難しい問題が、なぜコンサルティングファームの就職面接において問われることが多いのか。
その理由をしっかり確認しておきましょう。
ただ単に面接で必要だからトレーニングするというのと、意図を持ってトレーニングするのでは、得られる効果も大きく違ってきますからね。
コンサルタントの仕事に求められる能力を測ることができるから
最も大きな理由としては、フェルミ推定を通じてコンサルタントの仕事に必要な能力を身に着けているか、またどの程度のレベルなのかを評価することができるためです。
簡単に挙げただけでも、コンサルタントとして仕事をしていく上では以下のような能力が求められます。
- 論理的思考力
- 情報処理能力
- 効率的な思考力
- プレゼンテーション能力
- ドキュメンテーション能力
- コミュニケーション能力
- 仮説立案能力
- 修正力
- イマジネーション能力
あくまでも上記は一例で、このほかにも必要となる能力は色々とあります。
フェルミ推定を通じて、このようなコンサルタントに求められる能力の有無を実際に確かめることができるのです。
外資系のコンサルティングファームは非常に実力主義の風潮が強く、すぐにでも戦力として活躍できる人材を求めています。
それだけにフェルミ推定による能力の見極めが、ファーム側としても非常に重要なのです。
面接に向けた本気度を見ることができるから
「フェルミ推定なんてどうせ先天的に頭が良い人だけが評価されるんでしょ?」
このように考えて端から諦めてしまっている人、非常に勿体ないです。
なぜなら、フェルミ推定はしっかりとトレーニングを積めば誰でも上達することができるためです。
逆に言えば、しっかりとトレーニングを積んでいない場合、どれだけ頭の切れがあるような人でも、卒なくフェルミ推定をこなすのは厳しいでしょう。
コンサルティングファームの面接本番で、フェルミ推定が満足にできなかった場合、「コンサルタントとしての能力に欠けている」と烙印を押されるだけではありません。
さらに、「普通にトレーニングすればできるようになるものをして来なかった。我が社への就職については、それほど熱意がなかったのだろう」と判断されます。
多くのコンサルティングファームは、応募者に求める条件として「熱意」を挙げています。
その熱意がないと判断されてしまえば、なかなか内定を勝ち取るのは難しいですね。
もちろんセンスや成長速度など、個々人によってバラつきが出る部分はありますが、熱意があることを言葉ではなく姿勢で示せるように、しっかりと事前にフェルミ推定のトレーニングを積んでおきましょう。
どれだけの成長性が期待できるかイメージすることができるから
フェルミ推定は今現在のビジネスマンとして資質だけではなく、その後の成長可能性を示す材料にもなり得ます。
というのも、フェルミ推定のテーマが与えられてそれを回答したら終わり、というわけではないからです。
志望者が自分の思考プロセスとその結果を発表した後には、面接官から追加の質問やフィードバックを受けることになります。
これが非常に重要。
このフィードバックを通じて、
- 客観的に自分の考えを見直すことができるか
- 誤っている点を適切に修正することができるか
- 分からないことをうやむやにせず、人に聞いて解決しようとする姿勢があるか
- 謙虚さがあるか
といったような能力・マインドが見られるためです。
特に一度別の角度から客観的に見て、不足や誤りを修正していくということは非常に重要です。
実際のコンサルタントの仕事でも、そのような場面は多々訪れます。
仮に「自分の考えは誤っているはずがない。絶対に正しい」というような態度を取ろうものなら、入社後の成長性は期待できないと判断されてしまう可能性があります。
コンサルティングファームとしてももちろん現時点でどれだけ仕事能力があるかは重要ですが、さらにどれだけ成長期待性があるかということも重要です。
フェルミ推定後の受け答えを通じて、まだまだ自分には成長性があるということをアピールしましょう。
採用選考でフェルミ推定を出題したことがある会社
これまで採用選考においてフェルミ推定を出題したことがあるコンサルティングファームとしては、以下のようなファームがあります。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- T.カーニー
- ベイン・アンド・カンパニー
- デロイトトーマツコンサルティング
- アクセンチュア
- PwCコンサルティング
- アーサー・D・リトル
- ローランド・ベルガー
- Strategy&
- IBM
- KPMGコンサルティング
いずれも名だたる名門ファームばかりですね。
このほかに、Googleや外銀(外資系投資銀行)などでも頻繁に出題されています。
フェルミ推定はあくまでも面接中の1つの質問であり、募集要項などで「フェルミ推定を出題します」と明言していることはありません。
自然な会話の中で突然フェルミ推定に移行していくというケースも結構あります。
面接官「A君は大学時代、部活動はやっていたの?」
A君「はい。4年間サッカー部に所属していました」
面接官「そっか。サッカー部のユニフォームってあると思うんだけど、どこのサプライヤーだったの?」
A君「アディダスさんから提供を受けていました」
面接官「なるほど、アディダスね。カッコイイもんね。」
A君「はい。モダンなデザインはもちろんですが、最近は機能性に優れたウェアも増えてきて、コンディショニングで大いに役立ちました」
面接官「そのアディダスなんだけどさ、サッカーウェアの売上ってどのくらいなのか、ちょっと考えてみて」
というような感じです。
もちろん、「ではフェルミ推定をやるね」という感じでスタートする会社も少なくありません。
どのようなタイミングでフェルミ推定がスタートしても、慌てることがないように準備しておく必要があります。
フェルミ推定の際に覚えておくと役立つ数値データ
続いて、フェルミ推定の際に覚えておくと役に立つ数値のデータについて紹介します。
すべてを覚える必要はないものの、知っておくことで思考の助けになったり、違った角度からのアプローチもできるようになったりするものです。
是非1つでも多く知識としてインプットし、フェルミ推定の時の自分の武器としてください。
全企業数
日本全国の全企業数は、およそ380万社程度です。
大企業(上場企業数)
「大企業」は法律で具体的に定義されているわけではないものの、一般的に従業員が300名以上にいる会社を大企業と言います。
この定義の場合、大企業数はおよそ1万社です。
なお、実際には業種や資本金額によっても、この定義は異なります。
さらに上場を果たしている企業に絞り込むと、およそ3700社しかありません。
中小企業数
上記で紹介した「大企業」に該当しない規模の企業を中小企業とします。
日本にある中小企業の数はおよそ380万社です。
ということで、全企業数のうちほぼすべて中小企業が占めているということがお分かりいただけるでしょう。
全労働者(被雇用者)人口
日本の全労働者人口はおよそ6000万人程度です。
このうち被雇用者、すなわちサラリーマンと公務員など雇われて仕事をしている人の割合は9割近くに上り、およそ5500万人います。
一方で自営業者は被雇用者の1割程度しかおらず、人数にすると500万人程度です。
ただし、最近の経済情勢の影響などを受けて、自営業者やフリーランス人口が増えて来ている傾向にあり、この数字も大きく変動する可能性があります。
外国人労働者人口
日本に出稼ぎに来ている外国人労働者は、その時々でばらつきはあるものの概ね160万人程度です。
実際に計算に当てはめる際には、計算しやすいように150万人としてもいいでしょう。
国内総生産額(GDP)
日本のGDPはおよそ500兆円です。
これはアメリカ、中国に次いで世界第3位の数値となります。
しかし2020年はコロナウィルスの感染拡大があり、経済活動が大きくストップせざるを得なかったという影響もあって、このGDP額が大きく落ち込んでしまう可能性も示唆されているところです。
GDPの産業ごとの寄与率
GDPの産業別寄与率は以下の通りです。
産業分類 | 寄与率 |
農林水産業 | 1% |
製造業 | 20% |
建設業 | 6% |
卸売・小売業 | 15% |
運輸・郵便業 | 5% |
宿泊・飲食サービス業 | 3% |
情報通信業 | 5% |
金融・保険業 | 4% |
不動産業 | 11% |
教育 | 4% |
上記は主な値です。
産業別の市場規模などを算定する場合に、これらの数値が頭に入っていることで素早く計算できるでしょう。
特に自分が内定を目指すコンサルティングファームがソリューション領域としている産業については、GDP寄与率を頭に入れておくのがおすすめです。
開業率
日本の開業率は概ね5%程度を推移しています。
これは、期首の企業数と比較して期末になると5%程度新たな会社が誕生しているという意味です。
なお、イギリスやフランスなどヨーロッパの国々は開業率が15%程度と、日本に比べてかなり高い数値を誇っているということも知っておきましょう。
廃業率
日本の廃業率は3%程度で推移をしています。
これは期首に存在していた企業の3%程度が期末になると廃業しているということを意味します。
開業率と同様に、イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国は廃業率も10%程度とかなり高めです。
開業率、廃業率のデータを見て、日本はかなり起業や創業に関して世界的に後れをとっているということも見えてきます。
平均給与額
日本人労働者の平均給与額は467万円です。
性別ごとに見ると男性は577万円、女性は279万円ということで、大きな開きがあることが伺えます。
年収1000万円は当たり前とも言えるコンサルティング業界から見ると、かなり年収額は低いと言わざるを得ませんね。
「会社の数」をフェルミ推定でアプローチを考えてみよう
フェルミ推定では「会社の数」をテーマにして出題されることもあります。
その際には上記で紹介した数値データが役に立つことでしょう。
実践的な出題例を元に、そのアプローチ方法を解説します。
「東京にある会社の数」を求める場合
東京にある会社の数を求める場合、以下のように公式を作ることができます。
東京にある会社の数=日本にある会社の数×全会社数のうち東京に事業所を置く割合
日本にある会社の数は380万社です。
ここで焦点となるのは「全会社数のうち東京に事業所を置く割合」ですね。
まず絶対NGなのが、47都道府県のうちの1つだからということで、約2%と設定することです。
これでは東京にある会社の数と秋田県にある会社の数が全く同じということになってしまいます。
それは絶対にあり得ませんよね。
より実践的な求め方としては、以下の2通りがあります。
- 東京には日本の約1割の人口がいるから、東京にある会社も1割程度ではないか
- 東京は日本のGDPのうち約2割を占めているから、東京にある会社も2割程度ではないか
会社の数とより密接な感じがするのは後者の「東京のGDP規模からのアプローチ」ですね。
ということで、日本全国380万社に20%という割合を乗算してみましょう。
すると、76万社という回答が出ます。
実際の数値はと言うと、東京にある会社数はおよそ45万社です。
結構大きくぶれてしまいましたね。
では何が原因で大きく数値がズレたのか、考えてみましょう。
すると、以下の点が見えてきます。
- 東京にはそもそも大きな企業が多い
- GDPの大部分は大企業が生み出している
ということで、単にGDP割合を代入するだけではアプローチとしては不十分だったことが分かります。
今回の場合、「東京の人口は日本の1割」という情報を元にして計算すれば、結果として38万社という数値が出て、実際の45万社という数値とかなり近い値になります。
しかしこれはたまたま数値が近かった、というだけで決して適切なアプローチとは言えません。
フェルミ推定では、数値の整合性ではなく、どのような思考プロセスだったかということが重視されます。
数値が大きくぶれてしまっても、その後の面接官とのディスカッションを通じて修正していけばOKなので、やはり適切なプロセスで思考するということが重要です。
「IT事業を行う会社の数」を求める場合
続いてIT事業を行う会社の数を求めてみましょう。
この場合、まずは前提の確認が必要です。
「IT事業を行う」というのはかなり曖昧なので、具体的に何を求めるべきなのかを明らかにしましょう。
ここでは主要事業か否かを問わず、少しでも情報通信業を営んでいる会社と定義することにします。
アプローチ方法としては、全会社数×情報通信(IT)を営んでいる会社の割合という公式がありますね。
全会社数は380万社と頭に入っているものとして、「ITサービスを生み出している会社の割合」をより具体的に掘り下げていくことが必要です。
具体的なアプローチ方法としては、情報通信業がGDP寄与率5%であることから求める方法があります。
つまり380万社×5%=19万社ということです。
しかし実際の数値は7000社程度ということで、かなり乖離しており、これはなかなか看過できるレベルではありません。
そこで修正を加えるべく、考慮したい点が以下の2点です。
- GDPの大部分は一部の大企業が生み出している
- IT事業の生産性は非常に高い
以上の2点を考慮して、いくつか修正してみます。
まず、IT事業のGDP規模は500兆円の5%なので、25兆円程度です。
このうち「パレートの法則」により、20兆円分は一部の大企業だけが生み出していると想定できます。
パレートの法則とは、全体の数値の大部分(80%)はごく一部(20%)の要素が生み出しているという法則です。
この20%は上場企業が該当するとしましょう。
では上場企業のうち、IT事業を行う会社はどのくらいあるのか。
ここでは全3500の上場企業のうち、50%がITを営んでいる会社と仮定します。
すると上場企業だけで1800社ということになりますね。
IT事業は非常に付加価値が高いビジネスなので、このくらいの割合を見込んでも問題ありません。
そしてあとはパレートの法則を再び考慮に入れて、およそこの5倍くらいの会社数があると仮定すれば、9000社という回答が得られます。
今度は実際の7000社ともそれなりに近い数値となりました。
IT事業の生産性の高さを鑑みても、少ない企業数でも大きくGDPに寄与していると十分言えますね。
このように、その産業分野の特徴に従って、当てはめる数値を少し調整するということも、フェルミ推定においては非常に重要です。
「会社の数」を求めるのはフェルミ推定のトレーニングに最適
「会社の数」を求めるフェルミ推定の例題として、上記で2つ回答アプローチを紹介しました。
いずれもシンプルな考え方だけでOKに見えて、非常に奥が深く、かなり頭を使わなくてはなりません。
考慮事項も非常に多く、フェルミ推定のトレーニングとしては最適な課題であると言えます。
実際に自分自身で解いてみる中でも「あれも考えなきゃ」「これも考えなきゃ」という感じで、かなり情報の取捨選択が大変になるはずです。
もちろん、すべての情報について考慮していては「概算」ではなくなり、フェルミ推定の本筋からずれてしまいます。
だからこそフェルミ推定では情報を取捨選択する能力も重要です。
「会社の数」はかなり考慮事項が多いテーマだからこそ、フェルミ推定で必要となる情報の取捨選択能力を自然と身に着けることができます。
フェルミ推定のトレーニングで意識したいポイント
フェルミ推定はトレーニングすれば必ずできるようになります。
しかしそのトレーニングの際には、しっかりと面接本番を意識しておくことが大切です。
スポーツの世界で練習以上のことを試合では発揮できないのと同じように、フェルミ推定もトレーニング以上のことを面接本番で発揮することはできません。
しっかりとトレーニングの際には意識を高く持ち、自分のフェルミ推定の限界値を高めておくようにしましょう。
なるべく短時間で考える
フェルミ推定は長くても30分くらいの時間しか与えられません。
場合によっては5分程度とかなり短く設定されることもあります。
これだけ制限時間が短いのは、長時間に設定すると誰でも解けてしまうためです。
コンサルタントは他の職業と比べても非常に激務ですので、与えられた短い制限時間の中で素早く思考し、回答にまで辿り着く必要があります。
そのため、トレーニングの際も本番を意識して、短い時間でプレッシャーを与えるようにしましょう。
面接本番は緊張感のため、通常よりも1.2倍くらい時間の経過が早く感じるとも言われています。
そのため実際の制限時間の8掛けくらいの時間設定でトレーニングするのがおすすめです。
ただし初期の段階は、まずフェルミ推定に慣れる必要があるので、それほど時間を意識しすぎてもいけません。
ある程度慣れてきたら、時間設定をして思考のスピードを速めていくようにしましょう。
なるべく数値は簡略化する
フェルミ推定は正確な数値を導くことが目的ではありません。
数値自体はあくまでも概算でOKです。
そのため、結果に大きな影響を及ぼさない事項はある程度簡略化して考えても問題ありません。
例えば日本の人口は1億2345万人程度ですが、これは1.2億人と考えてOK。
ほかにも東京の面積は2188㎢ですが、これは約2000㎢といった具合です。
細かい数値にはこだわりすぎず、バッサリとキリよく考えるようにしましょう。
頭だけで考えずに必ずメモをとる
フェルミ推定は自分の頭の中だけで考えるのでは限界があります。
かなり細かく因数分解しなければならないことも多く、さらにそれらを個別に頭の中で計算していたのでは、どれだけハイスペックな脳の持ち主でも、整理できません。
そのため、必ずメモを取りながら思考をするという習慣を身に着けましょう。
メモの内容や構造も、面接官は評価の対象としています。
いくら素晴らしい思考ができたからと言って、雑多なメモの取り方だったら「一緒に仕事をするのは難しい」と思われてしまうかもしれません。
制限時間がかなり限られた環境ではあるものの、できるだけ丁寧に、かつ構造的にメモを取ることを癖づけてください。
トレーニングを積んでいくことで、次第にメモをとるスピードも速めていくことができます。
複数のアプローチから思考する
フェルミ推定は単一の視点ではなく、複数の視点から物事を分解するということが必要です。
例えば日本にあるカフェ店舗数を求める場合には、以下のようなアプローチ方法が考えられます。
- カフェ市場の全体売上を1店舗当たりの売上で除算する方法
- カフェ店で働く大学生アルバイトの人数から1店舗当たりの大学生アルバイトの人数で除算する方法
- 飲食業界全体の市場規模にカフェ店の割合を乗算する方法
実際には、上記のほかにも様々なアプローチ方法が考えられ、その数に限りはありません。
トレーニングの際に複数の視点からアプローチすることを習慣づけることで、必ず物事を多角的に見られるようになります。
それはフェルミ推定における思考力を高めるというだけではなく、実際の仕事でもリアルに活かせる能力です。
面接本番でも、最低でも2つ以上の視点から考え、最適なアプローチができる方法を選択しましょう。
メモに落とし込んでおくだけでも、多角的に物事を見る力があるということをアピールできます。
無理にフレームワークに落とし込まない
フェルミ推定においては、ロジックツリーや3C分析、4P分析といったようなフレームワークが大きな思考の助けになります。
基本的なフレームワークを身に着けておけば、それは必ずやあなた自身のビジネス上の武器となり得るでしょう。
しかし、コンサルティングファームの面接試験でよくある失敗が「フレームワーク病」です。
これはフレームワークの型にガチガチにはまってしまい、そこから抜け出せなくなることで柔軟な思考ができなくなることを指します。
フレームワークは思考の大きな武器になるとはいえ、この状態は避けなければなりません。
また問題なく綺麗にフレームワークを活用できたとしても、なんとなく教科書通りの回答となり、独自性がなくなってしまう可能性もあります。
コンサルティングファームは独創的なアイディアを持つ人材を求めているため、これではアピールに繋がりません。
フレームワークはあくまでも思考の補助的な存在であり、フレームワークありきで考えることがないように気を付けましょう。
数値には必ず根拠を持たせるようにする
フェルミ推定では必ず「要素に数値を代入して計算する」という工程があります。
この数値を代入する際に重要なのが、その数値にはどのような根拠があるかを説明することです。
例えば日本にあるカフェ店を計算する公式として「すべての飲食店の店舗数×カフェ店の割合」という公式を使うとします。
ここで「カフェ店の割合」に代入する数は、あなた自身が推測しなければなりません。
そしてなぜその数値なのか、ということも説明する必要があります。
- 飲食店でアルバイトをしている友人の10人に3人はカフェ店でアルバイトをしているから
- 私が1か月間に飲食に消費する金額の20%はカフェ店に消費しているから
といったように、ある程度自分自身の経験に基づくようなものでも構いませんので、必ず根拠を添えるようにしましょう。
「なんとなくそのくらいだと思ったから」といったような当て勘で答えるのは絶対にNGです。
最初は遅くて当たり前
フェルミ推定など、最初は誰もが「意味が分からない」と感じるものです。
しかし、トレーニングを積んでいけば着実に意味が分かり、思考するスピード感を速めていくことができます。
とにもかくにも大切なのは繰り返しです。
将来的にコンサルティングファームへの就職や転職を見据えているのであれば、今すぐにフェルミ推定の準備を始めるようにしましょう。
準備のスタートはどれだけ早くても早すぎるということはありません。
まとめ:様々なアプローチで考え、フェルミ推定に慣れていこう
この記事ではコンサルティングファームの面接を突破するために大きな関門となるフェルミ推定について、様々な角度から説明をしてきました。
難関のコンサルティングファームへの就職を目指すのであれば、フェルミ推定は決して避けて通ることはできません。
最初は難しく感じ、ハードルの高さに辟易してしまうこともあるでしょう。
しかし繰り返しトレーニングを積んでいけば、必ず上達し、スピーディーな思考が可能となります。
トレーニングの際には本記事で指摘したポイントについても、意識しながら取り組んでみてください。
1回でも多くのトレーニングが、面接本番での自信ある態度へと繋がり、それが内定獲得のカギとなるはずです。