現在、様々な団体が奨学金事業・制度を行なっています。実施している団体の中には特定の条件を満たすと無利子や返済不要など、非常に良い条件で奨学金を利用できる団体もあります。そのため、奨学金を利用する際は事前に幅広い団体の奨学金制度の比較検討をすることが重要です。
この記事では育英会など、奨学金事業・制度を行なっている団体の概要や、各団体の奨学金のポイントについて解説していきます。
節約のおすすめ
奨学金は様々な育英会などの団体が行なっているので比較検討が重要!
奨学金は基本的に返済する必要があります。特定の条件を満たすと非常に良い条件で奨学金を利用することができるケースがあります。できるだけ返済が軽くなるように、良い条件で利用可能な団体がないか、幅広く調べましょう。
現在、多くの団体が奨学金事業・制度を実施しています。このような団体の多くは「●●育英会」という名前が付けられています。また、それぞれの育英会によって利用できる条件が異なります。 特定の条件を満たすと金利が低い、返済義務なし等の非常に良い条件で奨学金を利用できる可能性があります。
「奨学金を利用したい!」と思ったら、必ず様々な団体を比較検討するようにしましょう。
JASSO(日本学生支援機構)は奨学金事業を行う代表的な団体
JASSOは最も多くの学生に利用されている奨学金事業を運営しています。奨学金事業は旧日本育英会が成績優秀にも関わらず、経済的な理由から修学が難しい学生をサポートするために始めた事業です。現在はJASSOが旧日本育英会から奨学金事業を引き継いでいます。
JASSOが行なっている奨学金の種類は主に以下の4種類です。
- 給付型奨学金
- 第一種奨学金(無利子・貸与型)
- 第二種奨学金(有利子・貸与型)
- 入学時特別増額奨学金(有利子・貸与型)
給付型奨学金は返済の必要がない奨学金です。そのため、選考基準である成績や経済状況の条件が、他の奨学金と比べると厳しくなっています。
各奨学金の申し込み基準は非常に細かく、年度によって変わる可能性があるので、興味がある方は以下のJASSOページをご確認ください。
奨学金を検討する時はJASSOを基準にすることがオススメ。
現在、JASSOの奨学金は約2.7人に一人の学生に利用される程、幅広い学生に利用しやすい奨学金事業となっています。そのため、奨学金の利用で他の団体を検討する際は、JASSOの奨学金よりも良い条件で利用することができるのか、比較検討することがオススメです。
交通遺児のための「交通遺児育英会」
交通遺児育英会は、名前の通り保護者が交通事故による死亡・障害によって、経済的に修学が難しい子どもたちの高校や大学に通うための支援として奨学金制度を行なっています。
基本的に奨学金は有利子となるケースが多いですが、交通遺児育英会の奨学金は無利子です。また、奨学金事業を行う団体の多くは、選考基準に最低限の成績を求めていますが、交通遺児育英会では成績は選考条件に入っていません。(ただし、貸与中に留年した場合は奨学金停止。)
選考基準に当てはまる場合は、良い条件で奨学金を利用することができます。詳しい制度の概要については、以下をご確認ください。
交通遺児育英会:奨学金を希望される方(https://www.kotsuiji.com/howto/)
経済的に厳しい遺児のための「あしなが育英会」
あしなが育英会は交通事故以外の原因で保護者が死亡、あるいは障害を負ったことで、経済的に修学が困難な子たちへの奨学金制度を行なっています。
あしなが育英会では、給付型奨学金と貸与型奨学金(無利子)を組み合わせた形で奨学金を利用することができます。例えば、大学・短期大学で奨学金を利用する場合は、7万円(無利子貸与型4万円+給付型3万円)の奨学金が利用できます。
なお、あしなが育英会の奨学金は給付型奨学金のみの利用や、給付型奨学金の比率を上げることはできません。しかし、全額貸与型奨学金よりも返済総額は少なくなるので、非常に良い条件で奨学金を利用することができます。
また、あしなが育英会も交通遺児育英会と同様に、他の団体に比べると選考基準が厳しくありません。詳細については以下をご確認ください。
あしなが育英会:奨学金を利用したい方へ(https://www.ashinaga.org/grant/scholarship.html)
新聞奨学生向けの育英会(毎日育英会など)
新聞奨学生は各新聞社が実施している奨学金制度です。新聞奨学生は各新聞社が運営している毎日育英会などの団体に所属します。
新聞奨学金制度は、以下のような大きなメリットがあります。
- 新聞販売店に住み込みや家賃・通勤補助を受けながら働く為、家賃や食費が最低限に抑えられる
- 給与と奨学金の両方を受け取ることができる
- 入学前にまとまった奨学金を借りることができる
- 新聞奨学生として卒業まで働くことができれば奨学金は返済の必要なし
また、新聞奨学生になると以下のような仕事を行います。
- 朝刊配達
- 夕刊配達
- 集金
- 拡販営業 など
新聞奨学生の仕事は非常に大変ですが、給与と奨学金の両方を受け取りながら学生生活を送ることができます。さらに卒業まで働くことができれば奨学金を返済する必要がないため、非常に条件の良い奨学金制度となります。
新聞奨学生に興味がある場合は、各新聞社の育英会ページをご確認ください。
毎日育英会(https://www.mainichi-ikueikai.com/tokyo/)
日本経済新聞育英奨学会(https://www.nsn-tokyo.jp/ikuei/scholarship/index.html)
読売育英奨学会(https://www.yomisho.com/scholarship/)
新聞奨学生は続けることが非常に難しいので要注意!
新聞奨学生は非常に魅力的な奨学金制度ですが、働きながら学生生活を送ることは非常に難しいとされています。早朝2、3時から始まる朝刊配達や、夜間に行われることが多い集金活動などによって時間的な制約が多くあります。そのため、友人付き合いや勉強や就職活動に支障がでることも多くあります。休憩時間の確保が難しく、肉体的にも非常にハードな仕事となっています。
また、途中で新聞奨学生を辞める場合は、原則として育英会に奨学金を一括で返済する必要があります。元々、経済的に苦しいことから新聞奨学生を始めているケースが多いため、親や本人などに返済能力がなく「新聞奨学生を辞めたくても辞められない」という状況に陥ることが多々あります。
新聞奨学生は、とても良い条件で奨学金を借りることができますが、「何があっても途中で辞めない」という覚悟を持って始めることが重要です。
その他、地方公共団体や企業などのの育英会も多数あり(電通育英会、秋田育英会など)
上記の育英会以外にも、電通育英会のような企業が行なっている育英会や、秋田育英会などの地方公共団体が行なっている育英会があります。そのほかにも、様々な団体が奨学金事業を行なっており、それぞれの団体で審査基準や支給金額は異なります。
「知らなかったから奨学金を利用できなかった…」ということがないように、良い条件で借りることができる奨学金がないか学校の担当者に確認したり、自分で調べるようにしましょう。
JASSOのHPで奨学金事業を行なっている団体を調べることができる
奨学金の利用を検討する時は、申し込み可能な大学や団体にはできるだけ申し込みましょう。
また、JASSOでは奨学金制度を行なっている団体を簡単に検索できます。あなたが良い条件で奨学金を利用できる団体がないか、ぜひ調べてみてください。
JASSO 大学・地方公共団体などが行う奨学金制度について
奨学金を借りる時は様々な団体を比較検討しよう。
奨学金制度を行なっている団体は多くあります。特定の選考基準を満たすだけで、非常に良い条件で奨学金を利用できる可能性があります。基本的に奨学金は返済が必要です。返済は非常に大変なので、できるだけ良い条件で利用できる奨学金を探しましょう。