「大学を退学した場合の奨学金はどうなる?」退学後、奨学金の返済は7ヶ月後から始まります。退学が決まったら、まずは奨学金の振り込みを止めるための続きが必要です。
今回は、大学を退学する場合の奨学金の手続きや、退学した時点での返済額や返済期間の確認方法などを解説していきます。
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退学が決まったらすみやかに奨学金辞退の手続きを
大学の退学が決まったらすぐに貸与の振り込みを止める「奨学金辞退」の手続きをとる必要があります。退学した後は、学校の手続き・就職活動・引っ越しなどに追われて忘れてしまいがちです。
奨学金辞退の手続きは大学を通して行われます。何度も大学に通う手間を省くためにも、早めに申請しておくとよいでしょう。
手順は以下になります。
- 大学の奨学金担当者に連絡し、貸与の振り込みを止めてもらう。
- 「異動届」に必要事項を記入して学校に提出する。
- 「貸与奨学金返還確認票」を学校から受け取り、訂正がある場合はスカラネット・パーソナルより内容を変更する。
- 銀行(金融機関)の窓口で返済用の口座振替(リレー口座)の加入手続きを行い「預・貯金控」のコピーを学校に提出する。
退学後も貸与を受けているとどうなる?
退学後に振り込みがあった奨学金は、必ず返金しなければなりません。
奨学金辞退の手続きが遅れた等で退学後に振り込みがあった場合は、大学の奨学金窓口に連絡し、金融機関を通して返金しましょう。
返金のための手続きは在学していた大学に行ったり、銀行へ振り込んだりと、手続きが面倒になるので、奨学金辞退の申請はできるだけ早めに行うことをおすすめします。
退学後の返済額を確認する方法
退学後の返済額は、奨学金を辞退した際に受け取る「貸与奨学金返還確認票」に記載されています。
またスカラネット・パーソナルに登録しておくと、24時間いつでも自身の奨学金に関する情報を確認することもできます。
スカラネット・パーソナルは、リアルタイムの返済額をいつでも確認できるだけでなく、住所・勤務先の変更も可能なので非常に便利です。
https://shogakukin-professional.com/archives/329
返済は貸与終了の7ヶ月後から
奨学金の返済は、退学(貸与終了)の7ヶ月後から始まります。
奨学金を辞退した際に登録した、リレー口座から毎月27日に引き落としされます。「口座に入金し忘れた」「残高不足だった」などうっかり滞納してしまうことがあるので気をつけましょう。
3回滞納するとブラックリスト入りしてしまいます。ブラックリストに載ると新規クレジットカード作成や各種ローンの利用ができなくなるので注意してください。
ブラックリストから名前が消えるまでの期間は、信用情報を取り扱う機関によって異なりますが「奨学金を完済してから5年」とされています。将来の生活が非常に不便になるので、毎月の返済が滞らないようにしましょう。
大学中退者の就職は厳しい?
新卒で入社できるような大企業・手厚い福利厚生・高収入を目指すのは少し厳しいかもしれません。
大学中退だとマイナスイメージで捉えられることもあるので、「高卒」として就職活動をする人も。
なかなか内定をもらえず、しばらくフリーターや非正規雇用で生計を立てる人も多いようです。
しかし、大学を中退したからと正社員を諦める必要はありません。
大学中退者に特化した転職求人サイトや転職支援サービスを利用すれば、正社員に就職することが可能です。
内定に向けてのアドバイスをもらえたり、自分にあった就職先を選ぶことができます。サイトによって選べる職種や地域が多かったり、支援サービスが充実しているなど、強みがあります。
大学中退に強いエージェントを利用して、就職活動を進めていきましょう。
返済が難しいときは各種制度を利用しよう
退学後、体調の都合で働けなかったり、思うように就職できなかったり、経済的困難になることがあると思います。
返済が難しくなったときは、日本学生支援機構に申し出て、以下の制度を利用してみましょう。
減額返還制度
減額返還制度は、月々の返済額を1/2または1/3に減額できる制度です。
災害・傷病・その他経済的理由により奨学金の返済が困難な人の中で「毎月の返済額を減額すれば返済可能である人」を対象としています。
審査に通れば1度の申請で1年間適用され、最長15年まで延長することができます。毎月の返済額を減額することにより、返済期間は長くなりますが、返済総額(利子を含む)は変わりません。
奨学金を滞納している場合は、利用することができません。
必要な書類、願出の方法については、日本学生支援機構のホームページにてご確認ください。
JASSO:返還減額 手続方法
返還期限猶予制度
返還期限猶予制度は、返済期限を先延ばしにすることができる制度です。
審査に通れば1度の申請で1年間適用され、最長で10年返済期限を待ってもらうことができます。
返済を猶予してもらっている間は利子が付かず、返済総額も変わりません。
減額返還制度と異なり、奨学金を滞納していても利用することが可能です。
必要な書類、願出の方法については、日本学生支援機構のホームページにてご確認ください。
JASSO:返還期限猶予
返還免除制度
奨学生本人が死亡した場合、精神や身体の障害により働けなくなった場合に、返還未済額の全額または一部を免除する制度です。
上記のような場合は、まず日本学生支援機構へ連絡しましょう。それぞれの状況に応じて、願出書類の送付や審査が行われます。
JASSO:死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除
退学したら大学の奨学金窓口へ手続きに行こう
奨学金辞退の手続きはすべて大学を通して行われます。退学後に何度も学校へ行くことが無いように、できるだけ早く手続きを進めておきましょう。
もし返済が困難になった場合は、日本学生支援機構に申し出て「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」の利用が可能です。
退学後は何かとバタバタ忙しくなりがちです。忘れないうちに、大学の奨学金担当者に連絡しましょう。