まとめ

私立医学部進学を諦めない!奨学金で学費を調達する5つの方法

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医学部の学費は高額で、私立医大の学費は6年間で約3000万円必要とされています。
「お金持ちじゃないと進学できない」と思われがちですが、近年社会現象となっている医師不足への対策として、医師を育てるためのさまざまな奨学金や制度があります。

「優れた成績や学習意欲はあるが、経済的困難により修学が厳しい学生」に向けて用意されている、奨学金や特待生制度を利用すれば、高所得世帯でなくとも私立医学部への進学は可能です。

今回は医学部進学のために、奨学金を利用して学費を調達する方法を5つご紹介します。

お金がないからと医学部への進学を諦める前に、奨学金の利用を検討してみましょう。

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医学部を卒業するまでに必要な費用は3000万円


私立の医学部に6年間通うために必要な学費は1850~3000万円かかります。
一方、国公立の場合は全国一律350万円です。そのため競争率が高く、合格するのはかなり厳しい道のりと言えます。

国公立と私立で最大2700万円の学費の差があるので「お金持ちの家庭じゃないと医学部に進学できない」と思われがちですが、近年の医師不足から私立の医学部の学費は低下傾向にあります。2018年度は、名門の日本医科大学が6年間総額2770万円から2200万円と570万円の値下げを実施しました。

学費の値下げに加えて、各大学や地域の奨学金や特待生制度を利用すれば、学費が1000万円を切ったり、返済免除となる場合もあります。

奨学金や特待生に採用とならなかった場合でも、日本学生支援機構の貸与型奨学金や教育ローンを借りて進学することが可能です。医学生に限り、貸与額を増額することができるコースがあります。

「お金がないから医学部への進学を諦める」というのは、時代遅れです。さまざまな制度や手段を利用すれば、私立の医学部への進学が可能です。

医学部進学に利用できる奨学金5つ

学費が値下げ傾向にあるとはいえ、数千万円の学費を用意しなければなりません。医学部に進学に必要となる学費を用意するために利用できる奨学金や教育ローンを5つ紹介します。

1.日本学生支援機構

日本学生支援機構は大学生の2人に1人が利用しており「学習意欲があるが経済的困難で修学が厳しい」とされている学生に認められる奨学金です。第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)の2種類に分かれています。

第一種奨学金(無利子)
月額貸与:30,000~65,000円
無利子で借りられるが、審査基準が厳しく、最高貸与月額も少ない。
第二種奨学金(有利子)
月額貸与:30,000円~160,000円
在学中は無利子で利率は上限3%。月額貸与額は1万円刻みで16万円まで選ぶことができる。

第一種奨学金は貸与月額が少ないため、第二種奨学金と併用で借りることも可能です。第二種奨学金は在学中は無利子。利率の上限は3%ですが、近年は0.1%代がほとんどで、他の教育ローンと比べるとかなり低い金利で借りることができます。

申請方法は、高校で申し込む「予約採用」大学入学後申し込む「在学採用」の2つです。予約採用と在学採用では審査基準や学校ごとの枠が異なるため、予約採用で落ちてしまっても在学採用で採用となるケースがあります。

返済は最大で20年。返済方法は奨学金の種類によってさまざまで、所得に応じて返済額が決まるコースや市場金利で利率が決まるコースなどがあります。

2.教育ローン

教育費の調達として、日本学生支援機構の奨学金の次に多く利用されているのが「国の教育ローン(日本政策金融公庫)」です。
1人あたり上限350万円まで一括で借りることが可能で、入学前から利用できるのが特徴です。

入学金や受験料など、入学前にまとまった費用が必要になった場合に利用する場合が多く、日本学生支援機構の奨学金と併用して借りることもできます。返済期間は最大15年在学中は利息支払のみの返済が可能で、金利は1.71%(2019年6月現在)です。

国の教育ローン(日本政策金融公庫)ホームページ

国の教育ローン以外に、「銀行の教育ローン」も低金利で利用できます。

例えば地方銀行の千葉銀行が実施する、医学部・歯学部向け『ちばぎんスーパー教育ローン』だと、最大3000万円まで借り入れができ、在学期間中は利息支払のみの返済方法を選択することも可能です。

千葉銀行『医学部・歯学部向け スーパー教育ローン』

奨学金や国の教育ローンとの違いは、世帯収入が高いほど借り入れしやすくなる点です。返済能力が認めれるほど、融資限度額が上がります。

銀行教育ローンの金利も1.7~6%とカードローン(14%)、消費者金融(18%)に比べると、かなり低金利となっています。

3.大学独自の奨学金

各大学独自の奨学金や特待生制度を利用して、学費を用意する方法があります。
入学する大学や年度によって、奨学金の形態や採用人数、金額、審査基準が異なるので、進学を希望する学校に問い合わせてみましょう。

【大学独自の奨学金・特待生の例】

  • 年間90万円を給付
  • 修学費2000万円と生活費月額10万円を貸与
  • 6年間毎月20万円(総額1440万円)を貸与
  • 6年間で最大1880万円減免
  • 初年度の授業料を全額免除
  • 初年度の授業料、実習費、施設設備費を免除

申し込みは入学後で、審査は入試の成績を元に選考されることが多いようです。学業成績・家計状況・面接などから審査されます。

大学独自の奨学金や特待生制度は、学生にとってメリットが大きい一方で、募集人数が毎年数十名という場合が多く採用されるのが非常に難しくなっています。

入試の成績が全体の上位など、成績に自信がある人は応募してみましょう。

4.自治体奨学金

全国の自治体が独自に実施している奨学金で、地元の地域医療に従事する医師を求めて学費を貸与する制度です。「医学部修学資金貸与」「医学部地域枠推薦」とも呼ばれ、卒業後の一定期間、自治体の指定する医療機関に勤務することで返済を免除してもらうことができます。

地域医療の崩壊や医師不足が社会問題となっているため、政府が2007年に「緊急医師確保対策」を打ち出したのが始まりです。

特に不足している診療科(小児科、産婦人科、麻酔科、総合診療科、救命救急センターなど)で勤務することも、免除の条件となる場合があります。大学と提携している場合がほとんどなので、進学を希望する大学に問い合わせてみましょう。

以下のサイトで、全国の自治体が実施する「医学部修学資金貸与」や「医学部地域枠推薦」を検索することができます。

医学部修学資金貸与 へき地ネット地域医療振興協会

5.矯正医官修学資金

全国の矯正施設(刑務所、少年院、拘置所など)で勤務する「矯正医官」になることを希望している医学生に、法務省が修学資金を貸与する制度です。

応募資格:医学部医学科第3学年以上
貸与額:月額15万円
一定期間、矯正医官として勤務することで返済が免除となります。

大学卒業後、矯正施設の職員にならなかったり、職員となった日から2年以内に医師にならなかった場合は、返済義務が発生します。

矯正医官修学生 募集詳細

入学後に申請となる奨学金に注意


入学後に申し込み・審査となるタイプの奨学金は、入学金と前期授業料(または1年次授業料)を自己資金で納付必要があります。日本学生支援機構は予約採用でも、初回振込みは入学後になります。
もし、自己資金でまかなえない場合は、入学前でも借り入れができる国の教育ローン(日本政策金融公庫)を利用しましょう。

また、申請しても必ず採用されるとは限らないので、その奨学金だけを当てにしていると入学後に学費が支払えなくなってしまうことも。
いくつかの奨学金を組み合わせて利用したり、審査に落ちた場合に利用する教育ローンを検討しておくなど対策しておくことが大切です。

完済はいつ?奨学金の返済方法

給付型や学費が免除となる奨学金ではなく、貸与型の奨学金を利用する場合は、将来の返済についてもシュミレーションしておかなければなりません。

奨学金を利用して4年生大学を卒業した人は、返済月額2万円前後、返済期間は15~20年というパターンが最も多くなっています。医大生は他学部と比べて貸与総額が高額な分、返済は長期に渡り、月々の返済額も大きくなります。

以下で具体的な例を見てみましょう。

【日本学生支援機構 返還シュミレーション例】

第一種奨学金・第二種奨学金併用で上限貸与月額まで借りた場合

第一種(月64,000円)・第二種(月160,000円)=貸与総額:16,128,000円

返済期間は最長20年なので、毎月6万円を20年間返済することになります。(利率0.01%)

奨学金貸与・返還シミュレーション-JASSOより

【国の教育ローン 返済シュミレーション例】

上限350万円借りて、返還期間最長15年で完済目指す場合は、毎月22,000円ずつ返済することになります。(利率1.71%)

教育ローン用 返済シミュレーション|日本政策金融公庫より

銀行の教育ローンは銀行によって、借り入れ限度額が300~3000万円まであり、返済期間も10~30年とプランがたくさんあります。検討している銀行の返済シュミレーションを利用して計算してみましょう。

就職のことまで考えて借りよう


奨学金を利用することで高所得の家庭でなくても、私立医学部への進学が可能です。しかし、奨学金は将来の自分への借金でもあります。

また、奨学金の種類によっては、受験前や入学してすぐのタイミングで、将来の勤務先や診療科を決める必要があります。

学費が免除になる奨学金でも採用時に定められた条件を遂行しない場合、利子付きで返済を求められる場合があるので、気をつけなければなりません。

受験前や入学前に、就職した後のことまで考えるのは難しいかもしれませんが、高額な奨学金を借りるのであれば、それだけの覚悟が必要です。

卒業後、就職のことまで考えて、奨学金の利用を検討しましょう。

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