「奨学金って打ち切られることって本当にあるの?」「奨学金が打ち切られたら学校に行けない…。」
このような不安を抱えている人に向けて、この記事では奨学金の打ち切りと対策について解説してます。
奨学金は卒業前に打ち切られることがあります。奨学金がないと学生生活を送れない場合は、しっかりと奨学金が打ち切られるケースと対策を理解しておきましょう。
節約のおすすめ
奨学金は適格認定を満たさないと打ち切られる
奨学金は一度借りたら、卒業まで無条件に借り続けることができる訳ではありません。奨学金を貸与しているJASSO(日本学生支援機構)が継続して貸与するべきか審査しています。
JASSOの奨学金を利用する場合、毎年「奨学金継続願」を提出する必要があります。そして、奨学金継続願をもとに、以下4項目の適格認定を満たすか確認しています。
- 人物について・・・生活全般を通じて態度・行動が奨学生にふさわしく、奨学金の貸与には返還義務が伴うことを自覚し、かつ、将来良識ある社会人として活躍できる見込があること。
- 健康について・・・今後とも引き続き修学に耐えうるものと認められること。
- 学業について・・・修業年限で確実に卒業又は修了できる見込があること。
- 経済状況について・・・修学を継続するため、引き続き奨学金の貸与が必要であると認められること。
(※JASSO 適格認定より)
適格認定を満たす場合は、奨学金の貸与が継続されます。しかし、JASSOから適格認定を満たさない「奨学金を継続貸与するべきではない学生」と判断された場合は、奨学金が打ち切られます。
また、犯罪やカンニングなどの重大な問題を起こした場合は、継続願を出す時期以外でも奨学金が打ち切られることがあります。
奨学金は「廃止」「停止」の処置を受けると打ち切られる
奨学金の適格認定を満たさない場合は、「処置」と呼ばれるJASSOの対応が行われます。処置には以下の3種類があります。
- 廃止:奨学生としての資格を失い、奨学金は打ち切られる
- 停止:1年以内でJASSOが定める期間、奨学金が一時的に打ち切られる。
- 警告:適格認定で停止や廃止するほどではないが、満たさない部分があると通知が来る。奨学金は継続されるが、改善されない場合は停止や廃止につながる。
(※JASSO 適格認定より)
奨学金の資格が廃止される「廃止」について
JASSOと在籍する大学の判断によって、廃止の処置が決まると奨学金は打ち切りになります。主に以下のような理由で廃止となります。
- 留年などによる卒業延期の可能性が高い場合
- 修得単位が極めて少ない場合
- 犯罪やカンニングなどの重大な問題を起こした場合
- 申込時や継続願提出時に嘘の申告をした場合
- 家計の状況が一定以上になった場合
- 退学や除籍になった場合
- 奨学金継続願の未提出
一度、奨学金が廃止されると再び奨学金を受け取ることはできません。また、給付型奨学金を受け取っている場合は、廃止される際に一括での返済を求められることがあります。廃止で奨学金が打ち切りにならないように注意しましょう。
奨学金は継続願を出さないと「廃止」になるので要注意
適格認定を満たしていても、奨学金継続願を出さない場合は奨学金が打ち切られます。奨学金継続願が出ていない場合は、JASSOが「奨学金を継続する意思なし」という判断を行うため、奨学金が廃止となります。
貸与額通知書が学校から配布されるので、受け取ったら早めにスカラネット・パーソナルで提出を行いましょう。また、奨学金継続願が提出できているかどうかは、スカラネットで確認することができます。奨学金継続願の未提出によって奨学金が打ち切られることがないように気をつけてください。
奨学金の貸与が止まる「停止」について
停止の処置が決まると、1年以内でJASSOが定める期間は奨学金の交付が一時的に打ち切られます。停止となる理由には以下のようなものがあります。
- 成績は廃止されるほど悪いが、やむを得ない理由かつ卒業の見込みがあると認められる場合
- 停学などの処分を受けた場合
- 犯罪を起こしたものの不起訴処分になった場合 など
奨学金の停止は最大1年間です。1年を超えると廃止となり奨学金は打ち切りとなります。
奨学金の継続貸与に対する「警告」について
奨学金の警告は廃止になるほど著しく成績不振ではないものの、留年など卒業延期の可能性がある学生に対して行われます。
警告を受けても奨学金は継続して受け取ることができます。しかし、警告を受けても成績が回復しない場合は、停止や廃止の処置を受けて奨学金が打ち切られることがあります。警告を受けたら早めに成績回復に努めましょう。
奨学金が処置によって打ち切られた場合の対処法
処置によって奨学金が打ち切られた場合、再び奨学金を受け取ることができるケースがあります。以下で廃止と停止に分けて解説していきますね。
「廃止」された場合は改めて奨学金を受け取ることはできない
廃止は奨学生の資格を失うことで、奨学金が打ち切られます。そのため、再び奨学金を受け取ることはできません。一度、JASSOから「奨学生としてふさわしくない」と判断されているので、改めて奨学金の申込みを行うことも難しい状況になります。
どうしてもお金が必要ということであれば、後ほどご紹介する対処をご検討ください。
「停止」された場合は奨学金が再開する可能性あり
停止によって奨学金が一時的に打ち切られている場合は、停止されている理由を解消することによって奨学金を受け取ることができます。
停止になった場合は、停止理由を正確に把握して解消するために行動しましょう。また、停止理由を解消した後に奨学金の受け取り再開を希望する場合は、必ず大学の担当者に届出をする必要があります。停止理由を解消しても自動的に再開する訳ではないので気をつけてください。
奨学金が打ち切られてお金に困った時の対処法
「奨学金がないと学校に行けないけど、打ち切られてしまった…」このような時は以下のような対策を検討してみてください。
教育ローンを組む
奨学金が打ち切られるケースの多くは、以下の2つです。
- 成績不振の場合
- 家計の収入が一定額を超えた場合
このような場合は、銀行などの金融機関で教育ローンを組むことがオススメです。教育ローンの多くは成績や収入上限による利用制限はありません。
奨学金に比べると金利は高めになってしまいますが、お金が足りない場合は検討してみましょう。
休学してお金を貯める
教育ローンは奨学金と比べて借入審査が厳しくなっています。そのため、借入者(主に親)の収入や信用情報が良くない場合は、教育ローンを組むことができません。
そのため、「どうしてもお金が用意できないけど、学校に通いたい」という場合は、休学している間にお金を貯めて復学するという方法を検討してみてください。大学によってルールは様々ですが、平均2年間は休学できます。ただし、休学中も学校が指定する休学費を支払う必要があります。
奨学金は打ち切りになる前に対処することが重要!
奨学金は学生生活を支える重要なお金です。奨学金が打ち切りになってから、「お金が足りない!」と焦っても手遅れです。実際に筆者が学生だった頃、友人2名が奨学金の廃止や停止によって、お金の工面ができずに退学しています。
「奨学金が打ち切られたから、学校に行くことができない…。」このような状況にならないように、奨学金が打ち切りになる前にしっかり対処しましょう。